NIPTの費用相場はいくら?保険適用の有無など気になるお金の話を徹底解説!

「NIPTの検査費用はいくらなのか」

NIPTを受けるために、多くの方が直面する問題の一つは「お金」です。

妊娠中は何かとお金がかかり、費用面の心配も大きいことでしょう。

この記事では、「NIPTの検査費用相場っていくらなの?」「NIPTは保険は適用されるの?」など、NIPTの費用にまつわる疑問にお答えします。

ぜひ、最後までご覧ください。

NIPTとは?NIPTでわかること

NIPT(新型出生前診断)はアメリカで開発された新しい出生前診断です。

「無侵襲的出生前遺伝学的検査」「母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査」とも呼ばれますが、一般的には「新型出生前診断」「NIPT」と呼ばれることが多いです。

お母さんの血液中には、赤ちゃんに由来するDNAが流れているので、お母さんの血液を採取して「次世代シークエンサー」と呼ばれる機械を用いて確認します。

NIPTでわかること

NIPTは、胎児の染色体異常を検査します。

染色体異常自体を治すことはできませんが、それに伴う合併症については症状を抑えたり、治療することが可能です。

お腹の中にいる時から事前に染色体異常とわかっていれば、専門の病院で分娩をしたり、安全に迎える準備もできます。

NIPTで検査ができる染色体異常についてご紹介します。

21トリソミー(ダウン症候群)

21トリソミーとは、通常2本1組の21番目の染色体が、3本に増えてしまう染色体異常です。ダウン症候群とも呼ばれています。

全出生数の中で、約800人に1人が21トリソミーを患っています。

症状としては、筋肉の緊張低下、特徴的な顔立ち、成長障害、心疾患などの可能性が高いです。

ゆっくりと成長していくものの、平均寿命は60歳と比較的長く生きることができます。

18トリソミー(エドワーズ症候群)

18トリソミーとは、通常2本1組の18番染色体が、3本に増えてしまう染色体異常です。

エドワーズ症候群とも呼ばれています。

全出生中、約6,000人に1人の割合で18トリソミーが発症しています。

18トリソミーの症状は、胎児の頃から、成長障害や、手指が重なっていたり、胸骨が小さかったり、体に特徴があるなど様々な症状がみられます。

13トリソミー(パトー症候群)

13トリソミーとは、通常2本1組の13番染色体が、3本に増えてしまう染色体異常です。

パトー症候群(パトウ症候群)とも呼ばれています。

全出生数の中で、約5,000人〜12,000人に1人の割合で発症しています。

13トリソミーは、頭や眼球が小さいなどの外見上の異常や、呼吸・循環器系の異常が主に見られます。

性染色体異常・性別

性染色体は、性別の決定に関連する染色体です。

性染色体が1本多いことが原因の染色体異常には、クラインフェルター症候群・トリプルX症候群・XYY症候群があります。

どの染色体に異常が発生するかによって症状は少しずつ異なります。

同時に、性別の検査をすることもできます。

微小欠失症候群

微小欠失症候群とは、染色体がわずかに欠けていたり、重なっている染色体異常です。

どの染色体に異常があるのか、どの部位が欠けているのかによって症状が変わります。

重い知的障害がある場合もありますし、小児期では体重が増えにくい可能性があるなど、差が大きい部分でもあります。

NIPTの特徴

NIPTは2013年に日本に導入されてから、たった5年で、全出生前診断の4分の1を占める人気を誇っています。

なぜ、NIPTは多くの妊婦さんに選ばれているのでしょうか。

実はNIPTには、従来検査にはない3つの特徴があるんです。

①検査精度が高い

出生前診断を受けても、「結果が外れる可能性がある」となると結果の信用性が薄いですよね。

NIPTは染色体異常がない赤ちゃんを、陰性と判断する「特異度」と呼ばれる検査精度が99.9%あります。

今までの出生前診断では、コンバインド検査が83%・母体血清マーカー検査(クアトロマーカー検査)が80%など、検査精度が低い検査を受ける妊婦さんも多くいました。

様々な要因で変化する項目を基準に検査を行なっていたため、正しく検査をすることができなかったのです。

その点、NIPTは陰性の場合の精度が高く安心ですね。

※参考
出生前診断の種類|新型出生前診断(NIPT)のGeneTech株式会社
(最終閲覧2019年11月29日)

②検査のリスクがほとんどない

出生前診断はリスクがあることをご存知ですか?

従来検査の中でも、羊水検査と絨毛検査の検査精度は、ほぼ100%と言われるほど高いです。

しかし、これらの検査はお腹に針を刺す必要があるため、約100分の1〜300分の1の割合で流産のリスクや、破水の可能性があります。

一方、NIPTは20mlの母体血を採取するだけなので、ほとんどリスクはありません。

あるとしても、採血によるものだけなので、今までに採血によって気分が悪くなったことがなければ特に問題ありません。

母子ともリスクを負うことなく、検査精度の高い検査を受けられる。これがNIPTの最大の特徴であると言えるでしょう。

※参考
出生前診断の種類|新型出生前診断(NIPT)のGeneTech株式会社
(最終閲覧2019年11月29日)

③検査の時期が早い

NIPTのメリットはこれだけではありません。

妊娠10週目と、かなり早い段階で検査を受けることができます。

従来の検査では、早くて11週目。検査時期が遅いものに関しては15週〜18週に受ける検査もあります。

法律で人工妊娠中絶を受けられる時期は21週までと決められています。

検査結果が分かるまでにかかる時間や、検査の予約をする時間などを考えると、とにかく早めに検査を受けましょう。

NIPTの費用

様々なメリットが詰まった新しい出生前診断であるNIPT。

検査を受けるためには費用はどれだけかかるのでしょうか。

また、医療費として保険適用はあるのでしょうか。

NIPTにまつわる費用に関して、どれだけ準備をしておくべきか説明します。

NIPTの費用相場

NIPT費用の平均は以下の通りです。

検査項目 検査費用
基本検査
21・18・13トリソミー
約207,097円
基本検査+性別 約163,785円
全染色体検査 約195,142円
全染色体+微小欠失検査 約226,454円

NIPTは検査項目が豊富で、それらによって検査費用に変動があります。

今回は、東京都内にある40の施設におけるNIPT検査費用を、検査項目ごとに計算しました。

基本検査の相場が高いのは、認可施設での実施がほとんどであるからです。

認可施設の場合、遺伝カウンセリングや、複数回の来院などが必要になるので検査費用が高く設定されています。

反対に、基本検査+性別検査・全染色体検査・全染色体+微小欠失検査は無認可施設が実施しており、検査費用が安く抑えられている傾向にあります。

東京が特別安いということはなく、大阪・神奈川・埼玉などもほとんど同じ相場感だと思います。

NIPTに各種保険は使えるのか

NIPTでは、以下の公的制度は利用できません。

  • 公的健康保険
  • 高額医療費制度
  • 医療費控除

NIPTは医療行為ではありますが、あくまで検査であり、治療ではありません。

そのため、上記のような公的制度は利用できないので、自費で賄う必要があります。

陽性時の羊水検査の費用も念頭に入れておく

NIPTは、検査精度がかなり高い検査です。

しかし、検査精度の中でも、陽性を正しく陽性と判断する「感度」と呼ばれる検査精度は約80%しかありません。

裏を返せば、陽性と判断された赤ちゃんのうち、約20%は陰性の可能性があるということです。

そのため、診断を確定させるためには羊水検査を受ける必要があり、約15万円追加でかかります。

NIPT検査費用の他に、羊水検査費用も加わると、お金の負担はかなり大きくなってしまいます。

検査施設によっては、「陽性時の羊水検査費用を負担してくれる検査施設」もありますので、気になる方は、病院選びの際にチェックしてみてはいかがでしょうか?

病院を選ぶポイントは値段だけではない

ポイント!
  • 検査費用の相場は、検査項目によって約16万円〜22万円
  • 公的制度は使えないことがほとんどなので自費で賄う必要がある
  • 安さだけでなく、コスパという観点も重要

いかがでしたか?

しかし、安さの理由は、カウンセリング省いていたり、陽性時の羊水検査費用が病院負担にしていなかったりということもあります。

そのため、安さだけで検査施設を決めることあまりおすすめしません。

検査施設は、「検査精度」「スタッフさんの対応」「陽性時の対応」「担当医師の専門診療科」など、費用以外にも様々な軸があります。

その中でも、自分が譲れないポイントは何か、何を優先して病院を決めるべきなのかを考えて検査施設を選びましょう。

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